※この記事には『キンパとおにぎり』第4話のネタバレが含まれます。
初めてのケンカを乗り越えた大河とリン。第4話「ヌルンジと涙」は、そんな二人が「もっとお互いを知ろう」と歩み寄るところから始まります。そして物語は、大河がずっと抱えてきた“家族”と“挫折”の記憶へと、静かに踏み込んでいきます。
前回までの流れ
『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』は、小料理屋「田の実」で出会った長谷大河(赤楚衛二さん)と、韓国人留学生のパク・リン(カン・ヘウォンさん)の恋を描く、テレビ東京系のラブストーリーです。
第3話では誕生日のすれ違いやリンの母の来日を経て、二人は「お互いの文化を尊重しよう」と誓い合いました。その流れを受け、第4話ではいよいよ大河自身の過去が掘り下げられます。
第4話あらすじ:父の法事という呼び出し
お互いをもっと知ろうと約束した矢先、大河のもとに兄から一本の電話が入ります。「父の法事で実家に帰ってこい」――。
電話をかけてきたのは、大河の兄。亡くなった父をしのぶ席に、家族の一員として戻ってこいという呼びかけです。気の進まない様子の大河からは、彼が長いあいだ実家や家族と、まっすぐ向き合えずにきたことがうかがえます。その距離の理由が、この回で少しずつ明かされていきます。
明かされる、駅伝での挫折と罪悪感
大河はかつて、大学駅伝のエースとして将来を期待された選手でした。しかし成績不振から、その道を断たれてしまいます。第4話では、その挫折が単なる「夢の終わり」ではなく、家族の期待を裏切ってしまったという罪悪感にまで深く根を張っていたことが描かれます。
小料理屋でアルバイトを続けながら、どこか本気を出しきれずにいた大河。その背景には、家族と過去に向き合えないままの彼の心があったのです。
「ヌルンジ」が受け止める過去
そんな大河に寄り添うのが、リンの作る料理です。彼女が用意したのは、韓国のおこげ料理「ヌルンジ」。鍋底に残ったごはんのおこげを使った、素朴であたたかい一品です。
派手な励ましの言葉ではなく、静かに差し出される一杯。リンは、ヌルンジを通して大河の過去ごと受け止めようとします。言葉でうまく慰められなくても、あたたかい一杯はそっと寄り添える。サブタイトル「ヌルンジと涙」が示すとおり、料理と涙が重なる、本作らしいやさしい名場面が生まれます。
「田の実」での日々が照らすもの
大河が働く小料理屋「田の実」は、彼にとって“本気を出さずにいられる場所”でもありました。大学駅伝のエースという大きな夢に挫折し、家族の期待に応えられなかった負い目から、彼はどこか自分の人生に距離を取って生きています。アルバイトという立場に身を置くことで、また何かに本気になって傷つくことを、無意識に避けてきたのかもしれません。第4話で父の法事に向き合うことは、その距離をいったん縮め、逃げ続けてきた過去と正面から対峙することを意味します。リンと料理を通じて築いてきた関係が、その重い一歩をそっと後押しするのが、この回の温かさにつながっています。
個人的に感じた、第4話の深まり
ここからは筆者の見方です。第4話は、二人の関係が「恋のときめき」から一歩進んで、「相手の弱さを引き受ける関係」へと変わっていく回だと感じました。
大河の挫折は、走ることをやめた過去そのものより、それを家族に対する“裏切り”だと抱え込み続けていたことにあります。その重さを、リンは韓国語でも日本語でもなく、料理という言葉で受け止める。食を通じて心がほどけていく――本作の根っこにあるテーマが、最も美しく出た一話だと思います。
第4話についてよくある疑問
「ヌルンジ」とは何ですか?
韓国の料理で、鍋やお釜の底にできるごはんのおこげのことです。お湯を注いでお茶のようにしたり、やさしい味わいの食べ物として親しまれています。
大河の過去とは何ですか?
大学駅伝のエースとして期待されながら、成績不振で競技の道を断たれた過去です。第4話では、それが家族への罪悪感とつながっていたことが明かされます。
どこで配信を観られますか?
放送はテレビ東京系「ドラマプレミア23」で、見逃し配信はTVerなどで行われていました。最新の配信状況は公式情報をご確認ください。
おわりに
第4話「ヌルンジと涙」は、大河の心の傷と家族の物語に踏み込み、リンがそれを料理で受け止めた、しっとりとした名回でした。お互いの過去を知ることで、二人の関係はより確かなものになっていきます。ここから物語がどう進んでいくのか、続きが気になる一話です。


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