人生で初めて受けた演技のオーディション。それがいきなり、人気コメディドラマのレギュラー獲得につながった――ジャミーラ・ジャミルさんのキャリアは、そんな異例の出来事から始まっています。
ジャミーラ・アリア・ジャミルさんは1986年2月25日生まれ、イギリス出身の女優・司会者・活動家です。もともと俳優志望でキャリアを積んだ人ではありません。だからこそ、その経歴は他の役者とはかなり違った形をしています。
俳優になる前は、英国の人気司会者だった
意外に思われるかもしれませんが、ジャミーラ・ジャミルさんは演技の前にテレビとラジオの世界で名を知られていました。
2009年から2012年まで、イギリスのChannel 4でポップカルチャー番組の司会を務め、その後はBBC Radio 1の音楽チャート番組のラジオパーソナリティを担当しています。マイクの前で話すプロとして、すでにキャリアを確立していたのです。
この「話す仕事」での経験が、のちの軽妙な役柄に生きていると見ることもできます。
初挑戦で掴んだ『グッド・プレイス』
転機は2016年でした。NBCのファンタジー・コメディ『グッド・プレイス』が放送を開始し、ジャミーラ・ジャミルさんはレギュラーの一人、タハニ・アル・ジャミル役で出演します。
驚くべきは、これが彼女にとって初めての俳優の仕事だったという点です。しかも、生まれて初めて受けたオーディションで射止めた役でした。死後の世界を舞台にした風変わりな哲学コメディで、彼女が演じた自己愛の強い社交家タハニは、シリーズを代表するキャラクターの一つになりました。
未経験からいきなり話題作のレギュラーへ。普通ならあり得ない飛躍を、彼女は最初の挑戦でやってのけたわけです。
俳優・声優として広がる出演作
『グッド・プレイス』以降、ジャミーラ・ジャミルさんは活躍の場を広げています。
- 『シー・ハルク:ザ・アトーニー』ではヴィラン、タイターニアを演じる
- アニメ映画『DCがん漬けスーパーペット』でワンダーウーマンの声を担当
- ディズニーのアニメ『ミラ、ロイヤルディテクティブ』で声優としても活動
さらに近年は、ピクサー映画『マイ・エレメント』への参加や、Netflixのロマンティック・コメディなど、複数の新作が控えています。実写・声優・コメディと、活動の幅は着実に広がっています。
活動家としてのもう一つの顔
ジャミーラ・ジャミルさんを語るうえで欠かせないのが、社会活動家としての存在です。
2018年、彼女は「I Weigh」というメディア・プラットフォームを立ち上げました。これは体型に振り回されず自分の価値を認めようという「ボディ・ニュートラリティ」を訴えるキャンペーンとして始まり、やがてイベントやポッドキャストへと発展しています。
ルックスや数字で人を測る風潮に異議を唱えるこの活動は、彼女の発言力を大きく高めました。俳優としての知名度を、社会的なメッセージの発信に使っている点が特徴的です。
タハニという役が愛された理由
『グッド・プレイス』で彼女が演じたタハニについて、もう少し触れておきます。
タハニは、生前に莫大な慈善活動をしながらも、その動機が「姉への対抗心」や「世間からの称賛欲しさ」だったという、複雑なキャラクターです。育ちの良さと自己顕示欲、優雅さと俗っぽさが同居していて、笑えるのにどこか憐れみも誘います。
ジャミーラ・ジャミルさん自身が長身で堂々とした雰囲気を持つこともあり、この鼻持ちならない社交家がはまり役になりました。鼻につくはずの人物を、観る側がつい応援したくなる愛嬌に変えてしまう。司会業で培った話術と間の良さが、コメディの呼吸に生きていたのだと思います。初めての演技とは思えない達者さでした。
ジャミーラ・ジャミルについてよくある疑問
俳優になる前は何をしていましたか?
イギリスでテレビとラジオの司会者として活動していました。Channel 4のポップカルチャー番組や、BBC Radio 1の音楽チャート番組を担当しています。
『グッド・プレイス』以外の出演作は?
『シー・ハルク:ザ・アトーニー』でヴィランのタイターニアを演じたほか、アニメ作品で声優も務めています。ピクサー映画やNetflixの新作など、活動の幅を広げています。
活動家としても知られているそうですが?
2018年に「I Weigh」というメディア・プラットフォームを立ち上げ、体型に振り回されない価値観(ボディ・ニュートラリティ)を発信しています。
おわりに
ジャミーラ・ジャミルさんは、「正攻法で這い上がった俳優」とは違う道を歩いてきた人です。司会業から未経験で演技に飛び込み、初挑戦で人気作を掴み、その影響力を社会活動にもつなげています。まずは彼女の出発点である『グッド・プレイス』のタハニを観れば、コメディセンスと存在感の両方が一度に伝わるはずです。


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