中学2年生のとき、彼女はもう舞台に立っていました。
片山友希(かたやま ゆき)さんは1996年12月9日、京都府の生まれです。多くの若手俳優が高校や大学を出てから養成所に通うなか、彼女は関西の養成所で10代前半から芝居を始めています。この「始まりの早さ」が、のちの落ち着いた演技の土台になっているように見えます。
高校を卒業してからも、すぐに東京へ向かったわけではありませんでした。アルバイトをしながら関西で役者の仕事を続け、20歳になってから上京しています。地方で経験を積んでから中央に出るという道のりは、若手の中ではむしろ少数派です。
ケイという役が、彼女の名前を一気に広めた
転機は2021年の映画『茜色に焼かれる』でした。石井裕也監督が、コロナ禍の社会に翻弄される母子を描いたこの作品で、片山友希さんは主人公の同僚・ケイを演じています。風俗店で働く女性の、強がりと弱さが同居した佇まいが強い印象を残しました。
この演技で、彼女は第46回報知映画賞の最優秀新人賞と、第43回ヨコハマ映画祭の最優秀助演女優賞を受けています。主演ではなく助演で、しかも同じ年に二つの賞を獲るというのは、簡単なことではありません。「物語の脇にいるのに目が離せない」という資質が、はっきり評価された瞬間でした。
ゴールデン帯のドラマから映画初主演まで
賞を獲る前から、片山友希さんはコンスタントに現場を踏んできました。
2019年には日本テレビ系『俺のスカート、どこ行った?』にレギュラー出演し、民放のゴールデンプライム帯の連続ドラマに本格的に名前を連ねます。古田新太さん主演の話題作で、若手として確かな存在感を見せました。
さらに2022年の映画『フタリノセカイ』では、初めて映画の主演を務めています。脇で評価を積み上げた俳優が、一本を背負う側に回った節目の作品です。これまでの主な出演作を並べると、その振り幅がよくわかります。
- ドラマ『dele』『透明なゆりかご』『トップナイフ』
- 映画『リバーズ・エッジ』『いぬやしき』『人間失格 太宰治と3人の女たち』
社会派からエンタメ寄りの作品まで、ジャンルを選ばずに溶け込んでいけるのが強みです。
最新作は『行きがけの空』、公開待ちの主演級も
ここ数年も、彼女の出演ペースは落ちていません。
2025年公開の映画『行きがけの空』では影山唯役を演じています。さらに2026年6月5日公開予定の『FUJIKO』で菅波富士子役、同年8月28日公開予定の『私はあなたを知らない、』への出演も決まっており、スクリーンでの主軸を担う機会が増えてきました。
京都時代を「忘れたら終わり」と語る姿勢
片山友希さんのインタビューで印象的なのが、自身の原点に対する向き合い方です。
賞を受けて注目が集まった時期に、彼女は「調子に乗って、しんどかった京都時代を忘れたら終わり」という趣旨の発言をしています。中学2年から地元で芝居を続け、高校卒業後もアルバイトと役者を掛け持ちした時間は、決して順風満帆ではありませんでした。
その苦しかった日々を成功してからも手放さない。この姿勢が、彼女の演技に流れる地に足のついた質感につながっているように感じます。華やかな受賞歴の裏に、長く泥くさく続けてきた下積みがある。それを本人が一番よく自覚しているのです。
評価が高まるほど初心を見失う俳優も少なくないなか、自分の出発点を戒めのように胸に置き続ける。その誠実さもまた、彼女が現場から信頼される理由の一つでしょう。
沈黙で語れる、数少ないタイプ
ここからは個人的な見方です。片山友希さんの一番の武器は、セリフのない時間にこそ表れます。
何かを言いかけてやめる一瞬、視線をふっと外す間。その細部に、人物が背負ってきたものがにじみます。若手で「沈黙の芝居」ができる人は本当に限られていて、彼女はそこで勝負できる稀有な存在です。
韓国語とバレエを特技に持つことも、今後の役の幅を広げそうです。地方で長く鍛えた地力と、上京後に開いた表現の幅。その両方を持っているからこそ、脇に回っても物語をしっかり締められるのだと思います。
片山友希についてよくある疑問
どこの出身ですか?
京都府の出身です。中学2年生のころから関西の養成所で芝居を始め、20歳で上京しました。地方でじっくり経験を積んでから中央に出た、若手では珍しいキャリアの持ち主です。
どんな受賞歴がありますか?
2021年の映画『茜色に焼かれる』での演技が評価され、第46回報知映画賞の最優秀新人賞、第43回ヨコハマ映画祭の最優秀助演女優賞を受けています。助演で同年に二つの賞を獲った形です。
最新の出演作を知りたいときは?
映画.comやWEBザテレビジョンなどの俳優情報サイト、所属事務所の公式情報で確認できます。2025年の『行きがけの空』に続き、2026年公開予定の『FUJIKO』『私はあなたを知らない、』への出演も決まっています。
おわりに
片山友希さんは、トレンドに名前が並ぶより先に「あの脇の人、誰?」と検索される側の女優です。もし演技に触れてみたいなら、二冠を獲った『茜色に焼かれる』から入るのがわかりやすいでしょう。派手な見せ場ではなく、ふとした表情の説得力に、彼女の実力がちゃんと表れています。


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